2011年4月5日火曜日

[まとめ] 著作隣接権:世界の著作権:著作権の基礎のつぶやき(2011年2月) パート2

著作隣接権は,「実演」「レコード製作」「放送」「有線放送」などの行為が行われた瞬間に自動的に付与されるのが国際的なルールです。

例えば,「放送」の場合,音楽番組でも既存の音楽を放送するだけで,音楽の著作物の創造は行われていません。しかし,放送局の番組制作過程で,選曲・背景・歌手の選定などについて準創作的な工夫がされています。これを評価し,著作隣接権という権利を付与しています。

2.16
著作隣接権」の場合は,関係する行為をするだけで権利が付与され,「創作性」は権利付与の要件ではありません。

著作隣接権を持つ主体は,条約の規定や諸外国の著作権法で,多くの場合「実演家」「レコード製作者」「放送事業者」の三者とされています。日本は,それに加えて「有線放送事業者」にも著作隣接権を付与しています。

実演」→著作物を演劇的に演じ,舞い,演奏し,歌い,口演し,朗詠し,又はその他の方法により演じること,又は,著作物以外のものを演じる場合で芸能的な性質を有するもの(手品・物真似・アイススケートショーなど)

2.18
「実演家」→実演を行った者(俳優,舞踏家,歌手など),実演を指揮したもの,実演を演出したもの。

著作者の「財産権」は,基本的に全て「許諾権」ですが,実演家の「財産権」には,許諾権と報酬請求権があります。

2.21
著作者人格権→「公表権」「氏名表示権」「同一性保持権」。
実演家人格権→「氏名表示権」「同一性保持権」。
実演家には公表権は付与されていません。実演が行われる際は,公表を前提として行われることが多いからです。

著作権等は国境を越えて利用されるため,世界各国はさまざまな多国間条約を結んでお互いに著作物等を保護しています。

2.23
著作権関係条約の原則→内国民待遇:自国民に与えている保護と同等以上の保護を条約締結国民に与える,という原則です。(ベルヌ型とローマ型があります)

万国著作権条約:著作権の保護を受けるための条件として,登録などの方式を要求する国と,無方式主義の国を結ぶ架け橋の条約。昭和27年に成立。

2.24
ベルヌ条約は,全加盟国(164カ国:H22.3月現在)の満場一致でないと改正できません。

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