2011年4月5日火曜日

[まとめ] 保護期間:著作権の基礎のつぶやき(2011年2月)パート1

2.1
著作権の保護期間は,著作者が著作物を「創作したとき」に始まり,原則として著作者の生存している期間プラス死後50年です。(著作権法第51条)

2.2
著作権の保護期間の例外団体名義の著作物→公表後50年(創作後50年以内に公表されなかったときは,創作後50年。)著作者が法人か個人かは問いません。
著作権の保護期間の例外:映画の著作物→公表後70年(創作後70年以内に公表されなかったときは,創作後70年)

2.3
著作権の保護期間の例外:無名・変名の著作物→公表後50年(死後50年経過が明らかであれば,その時点まで)※周知の変名は除きます。

Q:じゃあ,著作物の一部分ずつが発行され,一定期間内に完成される連載小説のようなものの著作権の保護期間は?

A:最終部分が公表されたときから50年です。ただし,つづきが直近の公表時から3年を経過しても公表されないときは,既に公表されたもののうち最終の部分が公表された時から50年です。

2.4
著作権の保護期間の計算方法:すべての期間は,死亡,公表,創作した年の「翌年の1月1日」から起算します。

旧著作権法(明治32年制定)と現行著作権法(昭和46年1月1日施行)では著作物の保護期間が異なっています。旧著作権法の時代に公表又は創作された著作物の著作権が存続しているかどうかは,旧法と現行法の両方の規定を調べます。

2.7
わが国より著作物の保護期間が短い国の著作物は,その国の保護期間だけ保護されます。(保護期間の相互主義)

第二次世界大戦前又は大戦中に取得した著作権については,通常の保護期間に戦争期間(国によって異なります)を加算することになっています。(連合国及び連合国民の著作権に関する法律第4条)

2.9
日本はかつて,著作権が最初に発行された年から10年以内に翻訳物が発行されなかった場合,翻訳権が消滅して自由に翻訳できる制度を適用することをベルヌ条約上宣言していました。(これは現行法制定当時に撤回しています)

著作物が最初に発行された年から7年以内に翻訳物が発行されない場合で,翻訳権者から翻訳の了解が得られないとき,文化庁長官の許可を受け,所定の補償金を払って翻訳できる制度があります。(万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律第5条)

2.14
広い意味での「著作権」は,著作者の権利と著作隣接権に分かれています。著作隣接権は,著作物などを人々に伝達した者に与えられる権利です。

著作隣接権を持つ主体は,条約の規定や諸外国の著作権法で,多くの場合「実演家」「レコード製作者」「放送事業者」の三者とされています。日本は,それに加えて「有線放送事業者」にも著作隣接権を付与しています。

著作権の世界で「放送」とは・・・「無線放送」(番組が常に受信者の手元まで届いているような送信形態)のことを意味しています。

2.15
著作権の世界で「レコード」とは・・・磁気テープ,レコード盤,CD,DVD,ハードディスクなどの媒体を問わず,『音が固定されたもの』を意味します。

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